大怪我御殿! N/W

本作品は性的な表現が含まれているため、18歳未満の方の閲覧を禁止いたします。

BirdCage

Soegi

1.

人間の里から一里ほど行った先に使われなくなった水車小屋がある。といっても水車はまだ壊れておらず、今も車輪を軋ませ、小川のせせらぎと共に規則的な音を立てていた。

その音に混じって、くぐもったような声。

人か、怪か、はたまた獣の類か。

否、そのどれでも無かった。

「んっ……ンぶっ……や、やめっ……んむぅっ……」

「へっ、ほらほら、しっかり咥えてくださいよ、先生。俺たちずっと待ってたんですからね……先生にしゃぶってもらったり……」

「んぶうっっっ……!」

「こうやって後ろから、突き回したりするの……」

月は浮かばず、今宵は新月。

水車小屋は暗く、星明かりが僅かばかり差し込む程度。そこに映るのは白い裸体に群がる三人の男たちだった。

「おいおい、俺も忘れないで下さいよ……ほらっ!」

白い裸体が騎乗位の姿勢で跨るのは三十半ば、無精髭の男。男は女の腿を掴むと自身を思い切り突き上げる。

「んぅっ……あうぅううっ!」

くぐもった悲鳴が水車小屋に響く。

男たちにその肉感的な裸体を犯され、辱められているのは上白沢慧音。人間の里で寺子屋の教師をしている女……半獣の女だった。

妖怪ハクタクの半獣、慧音は満月になると妖怪化するが、今宵は新月。人間でもかなりの腕を持つ彼女でも月の出ていない今夜は、普通の人間の女同然の力しか持ちえない。

「んっ……んぐぅっ!」

「おっと……先生、歯ァ立てないで下さいよ……綺麗な顔に傷つけたくないでしょ?」

慧音の形のいい唇に猛々しいものを突きこむ男は二十も過ぎたころといった風情。残忍な笑みを浮かべながら小刀を慧音の頬にひたひたと押しあてる。

「んんっ……ふぅ……んぶっ……」

恐怖で目に涙を浮かべながら慧音は為すがままに男の猛り狂った一物を口に受け入れる。

「ははっ……そう、そうですよ、先生。もっと激しくいきますからね……」

男は慧音の頭を両手でグッと掴むと、乱暴に動かし、自身を扱く。

「おぉぅ……こりゃいいや……時々歯が当たるのが何とも……うぅっ……」

慧音の口の中にむっと雄の臭いが立ち込める。それに吐き気を催しながらも慧音は健気に男の一物を受け入れ続ける。口の端からは涎と男の先走りが混じったものが引っ切り無しに溢れ、はだけた胸元を垂れていく。

「こっちも忘れちゃ困るなぁ、先生っ」

慧音の後ろ、その尻穴に一物をつきたてた男が下卑た笑いを浮かべながら腰を鷲掴みにする。男はそのまま力任せに腰を叩きつけた。

「んぐぅっ……ぷはぁっ……ひぁああぅっ!」

その衝撃に慧音は思わず咥えた一物を吐き出す。後ろの男はお構いなしに腰を使い、慧音をよがり狂わせる。年の頃は四十を超えた程度。一番年長のその男は三人の中でも一際大きい一物を、慧音の後ろの穴に突き込んでいく。

「ひ、いやぁあっ!お尻なんてっ!痛っ……痛いぃっ……」

涙で崩れた顔が苦痛でさらに歪む。

「その割には凄い咥えこみ方だぜ?先生。結構こっちも使ってたクチなんじゃねぇの?へへへ……」

「おいおい、こっちも頼むぜ。吐き出されたままじゃ淋しいからなぁ」

前の男が強引に口に一物を再びねじ込む。

「んぶっ!……んっ……んふぅっ」

慧音は目を白黒させながら、強引に突き出される剛直を受け入れるしかない。

「そら、こっちもだ……そろそろ本気でいきますよ、先生」

下の男も慧音の太腿を掴みながら、突き上げを激しくする。

「んんぅっ……んぅぁあん……んふっ……んぶぅっ……」

三箇所からの激しい刺激に慧音は翻弄される。そのどれもが激しさを増し、男たちの息遣いも比例するかのように荒くなっていった。

「うっ……すげぇ締め付けだ……なんだかんだいってこんなに濡らしてるもんな、先生。結構良くなってきたんだろ……ん?」

「ううんっ……んんッ……ンぁぅ……」

下の男の問いに慧音は一物を咥えこんだ口で、首の動きで、眼で、必死に否定しようとする。

「おぉっ……先生、咥えたまんま喋られたら、ヤバいですって……おぅっ……」

そんな訴えも快楽を貪る男たちには届かない。

「じゃ、そろそろ『終わり』にしますか、先生……それっ」

後ろの男の合図で一斉に他の二人も一斉に一物を口に、秘所に、そして後ろの穴に突きこむ。

「んぐぅぅうっっ……」

叩きつけるように腰を使う男たち。その顔には絶頂の兆し。男たちの欲望を一身に受ける慧音にもその兆しが見え始める。

「んっ……んふっ……んぐぅうっ……」

男たちは、絶頂を迎えつつある慧音の躰、その痙攣によって絶頂へと向かう。

「ぐっ……締まってっ……うっ……や、やべぇ……で、出るっ……」

「んんんんううぅっ……」

一物を喉奥に突き込まれながら慧音も絶頂する。口内に、秘所に、後ろの穴にも大量の精液が迸った。慧音はその余韻に否応なしに体が震えてしまう。

「んっ……んくっ……ンぁ……コクン……」

喉奥で出された精液を無意識に嚥下する。喉に絡みつく感じに慧音は顔をしかめた。

口からようやく一物を抜かれ、同時に秘穴、尻穴からも一物がずるりと引き抜かれる。

「んっ……んぁあっ……」

秘所から滴る精液と愛液の混ざった粘液が慧音の白磁のような腿を伝って、筵の上へ滴り落ちた。

2.

「う……あぅ……うぅ……」

白磁の肌に男たちの穢れた白濁を滴らせ、慧音は呻き声を上げる。

「ふぅ……良かったぜぇ、先生……うちのかかぁとは大違いだ……」

「へへ……ちげぇねぇ……」

男たちの下卑た笑いが小屋の中にこだまする。

慧音は焦点の定まらない眼で天井を見る。強引に脱がされた服。手の形に痣が残る胸乳。いたるところにへばり付いた夥しい量の体液。

凌辱のあとが体のそこかしこに残っている。慧音は絶望感と虚脱感に呆然と涙を零す。

「さぁて、そろそろ二回戦と行きますか……」

無情にもさらなる凌辱を迫る男たち。その顔に、胸に、秘所に、男たちの手が伸びる。

慧音の顔が絶望に歪んだ。喉から悲鳴が漏れる。

「ひ……も、もう嫌……や、ヤダっ……やめ……」

「まぁまぁ、そう言うなって。先生も結構楽しんでるでしょ?へへっ……」

口の端を歪ませ、男達が迫る。その手が慧音の肩に触れようとした時……

「ひっ……ぎゃぁあぁあっ!」

男の手は、炎に包まれていた。

「あ、熱ぃっ……あぢぃよぉっ!だ、誰か消してくれぇっ!」

燃え盛る炎に手を焼かれながら男はのたうち回る。

「お、おいっ……大丈夫かっ……」

残った男二人が床の筵の筵をはがし、男の火を消しにかかる。

「ちっ……なんだってこんなっ……ん?ふぎゃあっ……!」

爆ぜるような音がして火を消していた男の手が炎に包まれる。

「なっ……俺もっ?あ、あちいぃっ!あちぃよぉっ!」

「うぁあっ……な、何なんだ一体……っ……まさかっ……」

残った年長の男が水車小屋の戸を見やる。それと同時に戸が『爆風で』吹き飛んだ。

「私だよ……」

「ふ、藤原……妹紅っ……なんでっ……あ、あいつらは手前は来ないってっ……」

揺らめく炎を背にして戸口に立つ白い影。

藤原妹紅だった。

その炎は怒りに燃え、紅く、蒼く小屋を照らす。

「あいつらってのは、輝夜達のことか?おい……」

ポケットに手を突っこんだまま、妹紅は表情を変えずに年長の男に近づく。

男は全身から汗を噴き出しながら、後ずさる。

「し、知らねぇ……俺はただ、ここに来て先生を犯せば金をやるって……変な頭巾かぶった女に……よ、よせ、やめてくれよ……俺のこと知ってるだろ?里のばくち打ちだよ!何回か、顔……ひぎゃああああぁっ!」

妹紅が指を鳴らすとともに、再び爆ぜるような音がして男の顔が炎に包まれる。

「え、どの顔だ……ん?知らねぇなぁ……」

妹紅の背後の炎がさらに燃え盛る。

「お前ら慧音に……慧音に何しやがった!えぇ!」

激昂する妹紅を前に男たちは自身が焼ける痛みにのた打ち回る。

「ふ、ふざけんなっ……こ、こんなんじゃワリに合わねぇ!……畜生、畜生……いてぇよぅ……!」

腕の皮をべろりと剥がし、仲間の火を消し終えた男が毒づく。他の男も火傷に顔が、腕が崩れ、見るも無残な有様だった。

「貴様らは只の人間だ。殺したくてしょうがないが、命までは取らない。さっさと去ね!」

妹紅が凄むと、男たちは悲鳴を上げながら着の身着のままで小屋から這い逃げて行った。

妹紅は慧音に近づく。

「も、妹紅……」

「慧音、ゴメン……新月だってのに、お前がいないから探しまわってたんだけど……こんなに遅くなっちまって……」

千々に乱れた衣服を、体のあちこちにある痣を、へばりつく様々な体液を見て、妹紅は痛々しい気持ちで一杯になった。

「いいんだ、妹紅。助けに来てくれたんだ。嬉しいよ……ありがとう……」

涙を一筋流しながら、慧音が妹紅を抱き寄せる。

妹紅は歯を食いしばりながら抱擁に応じ、自分も慧音を強く掻き抱いた。

「ゴメン、慧音……ゴメン……」

「妹紅……妹紅……!」

涙を流し、互いの服を濡らす。二人は爪が食い込むほどに強く抱きあった。

「あらあら、感動的ねぇ。水差すようで悪いけど」

「ッ……!」

妹紅が振り向いたときはもう遅かった。注射器を手にした女、妹紅の首筋に差し込まれた針。妹紅の意識は一瞬にして闇へと堕ちる。

「油断大敵よ?この女を餌に使って正解ね。フフフッ……」

「妹紅っ!妹紅っ!……貴様、輝夜の従者っ!なぜ……!」

紅と蒼の衣装をまとった女が応える。

「なぜ?なぜって……私の主人が望んだからよ?」

「なっ……!」

そう言うが早いが慧音にも注射針を打ち込む女、八意永琳。そして慧音もまた、闇の中に意識を沈ませていった。

3.

「……ぅ……もこぅ……妹紅……」

鈴を転がすような可憐な声。軽い頬の痛みと共に名前が呼ばれる。

妹紅はうっすらと目を開けた。

「やっとお目覚め?ずいぶんお寝坊さんねぇ……妹紅」

瞳に映ったその姿を見る。途端に妹紅は驚愕で眼を見開いた。

「っ……輝夜っ!」

蓬莱山輝夜。妹紅の仇であり、殺し合う相手。えんじ色のスカートをはためかせ、妹紅の鼻先で満面の笑みを浮かべていた。

「ここはっ……ここはどこだっ!慧音をどこにやったっ……」

その顔に咬みつかんばかりに妹紅が吠える。咄嗟に掴みかかろうとするが、妹紅は自分の体の異変に気がついた。

「なっ……か、体がっ……」

妹紅は手を持ち上げようとするも力が入らない。脚も同じだった。立ち上がろうとしても力が入らず、無様にへたり込んでしまう。

「くっ……な、何をした……!」

その問いに輝夜はさも可笑しそうに笑う。

「何って、ここは永遠亭よ?月の薬師、八意永琳がいるんだもの。手足の自由を奪う薬くらい作るのは造作もないわ」

「永遠亭……そんな遠くまで……」

周りを見渡すとそこは座敷牢のようなところだった。畳敷きの狭い部屋に木製の格子戸が嵌っている。奥には障子で仕切られた部屋があり、微かに物音がした。

「それに、自由が利かないのは手足だけじゃなくってよ?」

そう言って指差された妹紅の首には武骨な革製の首輪。鎖が壁にまで続いている。時折、金具の擦れる音がした。

「なかなかお似合いじゃない、妹紅?クスクス……」

「くっ……悪趣味な!」

妹紅が毒づく。

「慧音……慧音はどこだっ……お前ら慧音に……!」

妹紅が鬼の形相で凄むと、輝夜はさもつまらなそうに嘲る。

「慧音、慧音と五月蠅いわね。あんたを釣るために使った餌なら永琳のとこよ。すぐに連れてきてあげるわ……永琳」

輝夜は凄艶な笑みを浮かべると、永琳を呼んだ。

「はい、姫様」

澄んだ声と共に奥の障子が開かれる。その奥の光景を見て、妹紅は愕然とした。

「け、慧音っ!」

そこにいたのは、輝夜の従者、八意永琳。そして、上白沢慧音だった。

「うっ……はぁっ……も、妹紅っ……み、見ないでくれっ……妹紅っ……」

妹紅が見たのは半裸の慧音と、それを後ろから抱くようにする永琳。

慧音は必死に自分の躰を隠そうとするも、後ろから永琳によってそれを阻まれる。

「姫様。ご要望通り、この半獣に我が媚薬を服用させました。あとは私が調教しておきますが、よろしいですか」

淡々と永琳が輝夜に報告する。

輝夜は喉奥で小さく笑うと自分の従者に言った。

「しておくもなにも、もう始めちゃっているじゃない、永琳。まぁ、いいわ、そいつもういらないし……とことん嬲って、いやらしいことしか考えられないような淫乱に調教しておきなさい……フフッ」

「かしこまりました……フフフッ……」

輝夜の言うとおりだった。永琳はすでに慧音の体に自らの手を、口を付け思うさま味わっていた。

慧音の服は先刻と同じように引き剥かれ、その形の良い乳房を、秘所を露わにしていた。先ほどと違うのは慧音の反応だった。

湯上りのように上気した肌は細かく震え、永琳が触れる度、その震えは大きくなった。

「ひっ……ふぁぁんっ……だ、だめっ……そ、そこっ……ひぁあっ……」

甲高い声を上げながら、慧音が喘ぐ。その反応を楽しむように永琳は慧音に愛撫を続けた。

「んっ……んちゅっ……どう……私特製の媚薬は……体が蕩けちゃうでしょ……乳首もこんなに勃って……ンちゅ……」

「ひっ……あぁんっ……ち、乳首っ……だめっ……ひぁあ……」

永琳はぷっくりと膨れた慧音の乳首を口に含み、音を立てて吸う。舌で転がし、甘噛みする度に慧音の体は反り返った。

「さ、次はここを……」

「や、だ、だめっ……い、今そこは感じすぎっ……ひぁああぅっ……」

永琳が慧音の肉芽に指を這わせる。指の腹で小さく弾くと、秘所から愛液が溢れでた。

「あらあら、いくら媚薬を飲んでいるからって、これは濡らし過ぎじゃないかしら。あなた、淫乱の素質あるんじゃない……?」

「そ、そんなことっ……ふぁっ……や、やめてくれっ……も、妹紅の前でこんなっ……あぁっ……」

自らの痴態を妹紅に見られていることで慧音は目に涙を浮かべながら、紅潮した顔を隠そうとする。しかし、永琳はそっとその手を顔から引き剥がし、慧音の耳元で囁いた。

「あら、そんなこと言って……あなた見られて感じてるんじゃないの?ほら……」

永琳がつぷりと指を秘所に潜り込ませる。

「ふぁあっ……そ、そんなことっ……んっぅうっ……」

「指がビショビショ……やっぱりあなた、見られて感じてるんじゃない……いやらしいわね……」

「そ、そんなっ……わ、私はっ……うぅっ……」

慧音の目から涙が溢れる。

その様子を見て、たまらず妹紅が食ってかかる。

「や、やめろっ……慧音に触るなっ……輝夜っ……やめさせるんだっ……おいっ!」

輝夜は横目で輝夜を見やると、フッと笑みを漏らす。

「威勢のいいこと。あの女の事になると凄いのね、妬けちゃうわ……でも、他人の心配をしている暇は無くってよ……」

そう言うと輝夜は懐から細長いものを取り出す。

「これなーんだ?」

「っ……!」

乳白色の液体が入った棒状のもの……注射器だった。

「永琳特製の媚薬よ。蓬莱人にも効くように、あの半獣女のよりも強力な奴……フフッ……さぁて、楽しみだわ……」

注射器の針の先から液体がにじみ出る。輝夜は微笑みを湛えながら首輪の嵌った妹紅の首筋に注射器の針を這わせる。

「や、やめろっ……輝夜……よせっ……」

「やぁだ……えいっ」

ぷすりと針が妹紅の首筋に刺さる。ゆっくりと中の液体を押し出していく輝夜。

「うっ……ぐっ……か、かぐやっ……」

「ほぉら……どんどん入っていくわよ……あの妹紅がどんなふうに乱れるか見ものね……クスクス……」

口の端を歪めながら輝夜は空になった注射器の針を抜いた。

4.

「う……うぁ……な、何だ……体がっ……あ、熱っ……んぅうっ……」

針が抜かれて間もなく、妹紅は猛烈な体の火照りに襲われた。薬を打たれた所を起点にしてじわり、じわりと火照りが広がっていく。首筋、胸、その先端、秘所、そして自分の精神までも……。

「さすが永琳ね、凄い効き目だわ。あんなに反抗的な眼をしていた妹紅がこんなにモノ欲しそうに潤んだ目になっちゃって……気分はどう?妹紅……」

にっこりと微笑みながら、輝夜が尋ねる。

妹紅は急に回らなくなった舌を必死に動かして輝夜に吐き捨てる。

「こ、このっ……屑……薬で人をどうにかしようとするなんて……ひ、人でなしっ……」

その言葉に輝夜は少し目を見開くと、堰を切ったように笑い出した。

「あははははっ……私が人でなし?……そんなの分かりきったことじゃないっ!下賤の人間なんかと一緒にしないでほしいわ……元人間さん?」

そう言うと輝夜は、服の上から分かるほどに勃起した妹紅の乳首を強く捻りあげる。

「いっ……あぐぅっ……!」

痛がる妹紅の顔を見て、輝夜はさらに可笑しそうに笑う。

「痛い?そう……まだ痛いんだ?もう少し経って薬がもっと回ればこれだって快感に変わるのよ……?どう、素敵でしょ?フフッ……」

「ひっ……うぅっ……」

徐々に強くなる火照りに、妹紅は呻く。頭の中にもやがかかったかのようにぼんやりとし、息遣いは自分でも分かるくらいに荒くなっていた。

「さて、わたしもそろそろ……」

輝夜が懐からなにかを取り出す。それは親指の先ほどの大きさしかない小瓶。中には薄緑色の液体が微かに光るようにして入っていた。

「ほら、私が特別に作らせたのよ?綺麗でしょ」

そう言って輝夜は小瓶を軽く振った。キラキラと淡く光る液体が瓶の中で揺れる。

輝夜は小瓶のコルクを開けると自らの舌にその液体を垂らした。粘性の高いその液体が桃色の輝夜の舌の上に乗ったかと思うと、喉の奥へ消えていった。

「んっ……の、飲みづらいわね……んくっ……はぁっ……」

「な、何を……」

妹紅の喉から無意識に声が漏れる。

妹紅の問いに輝夜は嬉しそうに答えた。

「フフッ……これを飲むとね……ンッ……き、来た……ココが……こうなるのよ……んふっ……」

頬を紅潮させた輝夜のスカートの股間部分が大きく持ち上がり始めた。小さく輝夜が喘ぐ度、その持ち上がりは大きくなっていく。

最大まで大きくなったところで輝夜はスカートの留め具をゆっくり外し始めた。

「ひっ……」

最後の留め具が外れ、下着を履いていない輝夜の下半身が露わになると、妹紅は喉の奥で小さく悲鳴を上げた。

そこには、女性である輝夜の股間には本来あるはずの無いものがあった。一本の毛もないその秘所の、ちょうど陰核のある辺りにそれが生えていた。

「フフッ……驚いた?これ、女性の陰核を男性器に変化させる秘薬なの……んっ……これで今からあなたを、たっぷり愛してあげるわ……」

輝夜の股間にそそり立つのは、おぞましい凶器。赤黒いその身を晒した男性器だった。

輝夜は自身に生えた雄々しくそそり立つ男性器を愛おしげにさする。自らを誇示せんとばかりに屹立するそれは妹紅の眼前で細かく戦慄く。

「やっ……やめろっ……そんなものっ……くっ……来るなっ……!」

妹紅は必死になって動かない体を引きずり後ずさる。輝夜は口の端を歪めながらゆっくりと妹紅へにじり寄る。シミ一つない透き通る様な脚、その中心に生える一物を微かに震わせながら。

「んふっ……妹紅……逃げられないわよ……それに、あなたもこれ、欲しいんじゃないの?」

「なっ……何を馬鹿なっ……」

輝夜の問いに妹紅は即座に否定するも、無意識にごくりと生唾を呑み込んでいた。

「ふっ……巫山戯るなっ……そんな気持ち悪いもの……私がっ……」

妹紅の反応に輝夜は笑いをかみ殺すように言葉を続ける。

「クスクス……そんなこと言って、涎が垂れていてよ?しゃぶりたいの?はしたないわねぇ……」

「なっ……」

輝夜は妹紅の一瞬の動揺を見逃さなかった。一気に妹紅の鼻先までにじり寄り、自分の一物を妹紅の口へねじ入れる。

「んぶうっ……!」

突然の事に目を白黒させる妹紅。輝夜をキッと睨んで噛みつこうとするも輝夜に頭を掴まれ、グッと引き寄せられてしまう。

「ンぶっ……ンぐぅッ……

「ほら、噛んじゃダメよ、妹紅。もし噛んだら……あの半獣女を殺すわよ?ほら、あの女だってあんなに乱れてるじゃない……あなたも楽しみなさいよ……」

涙目になりながら輝夜の指さす方向を見ると、そこには体を弛緩させ、目と口がだらしなく半開きになり、涎を垂れ流す慧音の姿が目に映った。

「うっ……うぁあ……も、もうやめ……ひぁあっ……」

慧音が息も絶え絶えに喘ぐ。立て続けに何度も絶頂を迎えた慧音は媚薬のせいか永琳の僅かな愛撫にも過敏に反応していた。力無く痙攣する肢体が汗や愛液で濡れ光っていた。

「も、妹紅……妹紅っ……うぅっ……」

「あら、まだ呼ぶの?あなたの相手は私よ?……ほら、まだまだいくわよ……」

永琳の細指が慧音の陰核に伸びる。触れた瞬間に慧音は再び愛液を迸らせながら絶頂した。

「ひっ……ひぁあああぁあぁっ……んっ……んっううっ……も、もうイキたくな……はぅっ……ぁあ……」

慧音がまた大きく痙攣する。絶頂の声も弱弱しく、慧音は涙を流しながら快楽に溺れる。その眼はすでに光を失っていた。

「ン……んぶっ……んんっ……」

そんな慧音の様子を見て、妹紅は怒りで顔を紅潮させながら輝夜に目で、やめろと訴えかける。

そんな妹紅の訴えに輝夜は嬉しそうに妹紅に言った。

「あははっ……見てごらんなさいよ……あの二人も楽しそうでじゃない?だから……もっと私たちも楽しみましょうよ……ンッ……」

そう言って輝夜は自身を妹紅の口腔へ突き入れる。

「んぐうっ……んぶっ……んうぇっ……」

喉奥に異物を突き込まれる嘔吐感に妹紅が喘ぐ。その口腔内の動きに輝夜は腰を震わせた。

「あっ……あぅ……いいわ……妹紅……あなたの口、気持ちいっ……」

昂ぶった輝夜は妹紅の頭を掴み直すと、一気に腰を振り立て始めた。

「んぅ!ぐっ!……んぐっ……うぶっ……!」

為すがままに口の中を蹂躙される妹紅。口の端からは涎がだらだらと垂れ落ち、妹紅のブラウスの襟を汚す。

「あぁっ……いいっ……ぬるぬるしててっ……舌が絡んでっ……んっ……」

「んっ……うぇっ……んぅっ……」

喉奥に一物を突き入れられる度に妹紅は吐き出しそうになる。しかし、輝夜の手はがっちりと妹紅の頭を掴み、力の入らない妹紅は振りはらうことが出来ない。

「んんっ……!」

いつしか、輝夜の一物の先から粘性の高い液体が出て来ていた。絡みつくようなその味に妹紅は不快で顔を歪めながらもどんどん唾液を分泌してしまう。

「はぁっ……美味しそうに咥えこんでっ……いやらしいわね……妹紅……っ……そ、そろそろっ……イクわよ……んっ……」

輝夜の腰の振り方が徐々に激しくなっていく。妹紅はされるがままに口腔を犯され続ける。妹紅の口からも粘性の高い唾液が立て、いやらしい水音を立てていた。

「んっ……んっ……んんぶっ……んぐっ……」

「はぁっ……はぁっ……も、妹紅っ……妹紅っ……出るっ……で、出るわよっ……受け止めてっ……んあああっ……」

「んぐうっ!」

最後の瞬間、輝夜は妹紅の頭を掴み、喉の最奥に自分の一物を叩き込んだ。その瞬間、妹紅の口の奥に熱い精が迸る。

「んぐっ……んぅぉえっ……」

口いっぱいに広がる粘っこい味に妹紅は吐きそうになる。

しかし、輝夜は射精し続ける剛直を喉奥でさらに擦りたてる・

「あっ……あぁっ……い、いいっ……き、気持ちいっ……妹紅っ……飲んで、飲みこんでっ……」

そう言うと輝夜はさらに奥へと一物を押し込む。断続的に迸る精液。喉を鳴らして妹紅は飲み込むしかなかった。

「んっ……うぅんっ……んくっ……んくっ……んちゅっ……」

「そ、そうよ……妹紅……飲んでっ……ンッ……はぁあぅ……」

嘔吐感に堪えながら妹紅は断続的に漏れ出る精液を喉の奥へおさめていく。

長い射精を終え、ずるりと妹紅の口から輝夜の一物が引き抜かれる。

「んふっ……けほっ……あ、あぅぅ……ぅえっ……」

ようやく解放された妹紅は咳き込みながら、えづいた。

「っ……!」

その途端妹紅は、自分の血液が湧き立つような錯覚を覚えた。精液を飲みくだした喉から熱さが伝播し、体の火照りを強めていく。

「んはぁ……無理矢理喉奥に出されて飲んじゃうなんて……なんて淫らなのかしら……妹紅……美味しかった?私の精液……妹紅?」

頬を上気させた輝夜の問いに妹紅は答えなかった。

妹紅の視線は宙を彷徨い、その瞳は淫らに濁り、その口は物欲しげに舌舐めずりをしていた。

「ふふっ……もう、だいぶ薬が回ったようね……精液の効果も出て来たかしら……さぁ、もっと遊びましょう、妹紅……」

「はぁっ……はぁ……えっ……?」

淫靡な笑みを浮かべた輝夜は、妹紅の首輪から鎖を外し、その肩に手をかけると、優しく押し倒した。

5.

「ッ……や、やめろ……輝夜……」

押し倒され、間近に迫る輝夜の顔を力の入らない体で、最後の理性で、必死に跳ねのけようとする妹紅。

「あら……まだ、反抗する気?……でも、あなたの体はそうは言ってないみたいよ……ンッ……」

「ンむっ……!」

輝夜に強引に唇を奪われる。抗おうにも頬を押さえられ、払いのけることが出来なかった。

「んっ……ンちゅ……んはぁ……」

「んっ……んむっ……んぅっ……!」

輝夜の舌が妹紅の口の中を割って入ってくる。その舌は妹紅の舌に絡まり、唾液を舐めとっていく。歯裏を、頬の内側を、満遍なく舌で愛撫される。

「んちゅ……んふ……どう、妹紅?……キスでも感じてきちゃうでしょ?」

火照る額を合わせ、輝夜が尋ねる。

「そ、そんなわけ……んんっ……」

輝夜の言うとおり、妹紅の体は僅かな刺激にも敏感に反応し、その体を細かく震わせていた。少し動くようになってきた脚を弱弱しく擦り合わせ、手は自然に秘所の方に伸びていた。

「あらあら、体が動くようになったと思ったら早速それ?変態じゃないっ……あはははっ……」

からからと輝夜が笑う。妹紅ははっと我に帰り、自分の手を見て狼狽した。

「なっ……違っ……こ、これは……んふっ……」

輝夜がその口を塞ぐ。また強引に舌を絡め、妹紅から理性を削り取っていく。

「ンちゅ……ちゅるっ……れろっ……そろそろ頃合いかしらね……んっ……」

輝夜の指が妹紅の秘所へと伸び、慎ましい下着をずらすとその中へと指を僅かに差し入れる。

「そ、そこはやめっ……んあぁあっ……」

妹紅が弓なりに体を反らせる。輝夜が指を細かく動かすたび、妹紅の体は大きく反り返る。かぎ状に曲げた指で優しく妹紅の内壁を引っ掻いた。

「んあああぁっ……だ、だめっ……や、やめろっ……かぐっ……はぁあっ……」

引っ切り無しにその秘裂からあるれる蜜を輝夜は指で掬い取り、舌で舐る。

「んっ……んちゅ……美味しい……妹紅……私、もっと味わいたい……」

吐く息も荒く、輝夜が妹紅の下着を脱がしていく。薄手の布地は染み出る蜜によってその役目を果たせないほど濡れていた。

「すごいわ、妹紅……こんなに濡れて……」

妹紅のそこは輝夜と同じように一本の毛も生えていなかった。慎ましく開く秘所からは今も止めどなく蜜が溢れ出ている。

「み、見るなっ……やめろ……んはぅっ……」

妹紅の秘所を見た途端、輝夜は妹紅のそこへむしゃぶりついた。秘裂に舌を割り込ませ、音を立てて蜜を吸っていく。

「ちゅ……じゅるっ……美味しい、妹紅……もっと、もっとちょうだい……」

「ひっ……ひぁあっ……そんなっ……吸ったらっ……んああっ……」

蜜を吸われる度、妹紅は体を戦慄かせる。

「妹紅……妹紅の……ここも、可愛い……んちゅうっ……」

「ひぁあぅっ!……や、やめろっ……そ、そこは感じ過ぎてっ……いやぁあっ……!」

輝夜が妹紅の濃い桃色の蕾を舌で舐る。その度に妹紅は感電したかのように大きく痙攣する。秘裂から迸り出た蜜が輝夜の顔を汚す。

「ちゅぅっ……れろっ……はぁっ……も、妹紅……いいわよね、もう……私……」

輝夜は存分に蕾を、蜜を味わうと、痛いほど屹立した一物を輝夜の太腿に擦りあてる。

「ひっ……んっ……や、やめ……ろっ……んふぅっ……」

「はぁっ……はぁ……妹紅……い、挿れるわよ……」

妹紅は必死に抗おうと手足を弱弱しく動かすが、輝夜に容易く制されてしまう。輝夜は様々な体液で濡れ光る一物を妹紅の秘裂に押しあてる。

「い、いくわよ……んぅっ……」

「ひぐッ……あぁああっ……」

妹紅の手を押さえつけ、輝夜は強引に一物を突き入れる。卑猥な水音と共に、破瓜の証である鮮血が結合部に滲む。

「んんっ……あはっ……妹紅、あなた……初めてだったのね……処女のまま、蓬莱人になったのね……フフフっ……嬉しいわっ……ンぅッ……」

「ひっ……い、痛っ……んあっ……はうっ……!」

破瓜の痛みに妹紅は引き攣ったような悲鳴を上げる。

貫かれた妹紅の膣内は輝夜の一物を千切らんとばかりに締まり、輝夜はその感触に呻いた。

「んっ……あっ……し、締まってっ……うんっ……」

輝夜はゆっくりと腰を動かし始めた。一物をギリギリまで抜き、一気に突き入れる。

妹紅が自分の中の異物感に慣れないのにもかまわず、輝夜は腰を振った。

「ひぁっ……い、痛いっ……う、うぐっ……いっ……」

妹紅のくぐもった悲鳴が口から漏れ出る。痛いくらい噛みしめた唇が血色を失い白んでいる。

「あぁっ……すごい締め付け……ねぇ、初めてを仇に奪われた気持ちってどんな感じ、妹紅?……フフッ……」

輝夜が妹紅の耳元で囁く。

妹紅は憎悪に満ちた目を向けて、呪いの言葉を吐こうとする。

「ぐっ……こ、このっ……はあぅっ!」

しかし、妹紅が言い終わらないうちに輝夜は強かに腰を叩きつける。衝撃と痛みで妹紅は声も出ない。

輝夜は続ける。

「屈辱?憎悪?フフッ……それとも悦びかしら?こんなに濡らしてるんですものねっ……んっ……」

「ひあぁあっ……!」

長いストロークで突き入れる度、妹紅は甲高い声を上げる。

「あらぁ?声に艶が出始めてるんじゃない……妹紅?」

「そ、そんなことっ……うあぁああんっ……」

輝夜の言うとおりだった。妹紅の声は徐々に艶を帯び始め、体は快楽を受け入れようとしていた。

「さぁ、そろそろ本気でいくわよ?壊れちゃいやよ、妹紅?クスクス……」

輝夜はそう言うと妹紅の腰を掴み、腰の振りを激しくした。妹紅の慎ましい胸乳が輝夜の動きに合わせて上下に揺れる。その中心の乳首は硬く尖り、服の上からも分かるほど物欲しげにひくついていた。

「あはっ……すごい眺めね、妹紅。あの妹紅が私の下であんあん喘いでるなんて……最高っ……んっ……もっと楽しませて、ね……妹紅っ……」

二人の結合部から漏れる水音は大きくなり、輝夜の腰遣いはいよいよ激しさを増していく。

「ひっ……い、いやっ……も、もう……おかしくっ……んくぅっ……」

妹紅の体の震えが大きくなる。力の入らない手足はびくびくと痙攣し、口は酸素を求めるように息を荒くする。

「んっ……妹紅、もう……イクの?……わ、私ももうすぐだから……んぁっ……」

輝夜の息遣いも荒くなり始め、二人に絶頂の兆しが見え始める。

妹紅の秘所からはしとどに蜜が溢れ、二人の太腿を濡らす。妹紅の膣中は輝夜の一物を包み込むように締め付け、断続的に痙攣する。腰を打ちつける小気味良い音が響き、その度に妹紅も喘ぎ声を上げた。

「あぅっ……あっ……はぅっ……も、もうっ……い、イクぅッ……っ……」

「んっ……い、イってっ……妹紅っ……私に無理矢理犯されてっ……いやらしくイってっ……はぁぅっ……」

輝夜は最後とばかりに腰を妹紅の秘所に叩きつける。妹紅の子宮口に輝夜の一物の先端が突き刺さる。

「ひぐっ……ふぁああああぁっ……」

「んっ……で、出るっ……んぅうぅっ……」

二人が絶叫した瞬間、輝夜の精液が妹紅の膣奥へ迸る。最奥を精液で叩かれる衝撃で妹紅はさらに激しく絶頂する。

「ひぁっ……な、膣中にっ……ひぐッ……うぁああっ……」

「んっ……はぁああっ……も、妹紅っ……ふぅうっ……」

射精しながら輝夜は腰を動かす。最後の一滴まで精液を噴き出させようとする。その度に妹紅は声にならない叫びを上げた。

「っ……んぁっ……んぅううっ……で、出てるっ……んっ……」

「あ……あぁっ……い、いっぱい出しちゃった……はぁあっ……」

繋がったままの結合部から破瓜の血と精液の混じった薄桃色の液体が妹紅の太腿を伝って垂れ落ちた。

荒く息をつきながら、輝夜は余韻に震える妹紅に覆いかぶさった。そのまま強引に唇を奪う。

「んちゅっ……良かったわ……妹紅……」

「んぁっ……くぅっ……か、輝夜……な、何でこんな事を……んはぁ……」

息も絶え絶えの妹紅が、輝夜に尋ねる。

輝夜はその問いを聞くと、さも当然のように言った。

「クスッ……あなたを愛してるからよ、妹紅?」

「なっ……」

突然の告白に妹紅は言葉を失った。

輝夜は続ける。

「最初はね、あなたが憎くて憎くて堪らなかったわ……だから、殺して、殺して、殺し続けて……そのうちにね、あなたがどうしようもないくらい愛おしいことに気付いたの……だからね、今度はあなたを……」

そこで輝夜は微笑みを浮かべ、嬉しそうに続けた。

「犯して、犯して、犯し続けてみることにしたの。ここで飼い慣らしながらね……あはっ……あはははははははっ……」

輝夜の狂った哄笑が響き渡る。

「なっ……く、狂ってる……」

「私が狂ってる……?そうね、もう私は狂人なのかも知れない……でもね、それはあなたも同じなのよ……妹紅。永遠という檻に入れられて千年……狂わないはずが無いわ……喜んで?これからはずっと一緒よ……それこそ永遠にね……ふふふっ……んちゅっ……」

輝夜が再び恐怖で戦慄く妹紅の唇を奪う。

「さ、妹紅……このままもう一回しましょ?……私、また堪らなくなってきちゃった……んっ……」

「や、やめろっ……も、もう帰してくれっ……い、イキたくないっ……ひ、ひぁあっ……け、慧音……慧音……んぁあああっ……」

再び響く水音と悲鳴。それは淫靡な合奏のように永遠亭の中に響き続けた。

6.

人間の里から一里ほど行った先に使われなくなった水車小屋がある。といっても水車はまだ壊れておらず、今も車輪を軋ませ、小川のせせらぎと共に規則的な音を立てていた。

その音に混じって、くぐもったような声。

人か、怪か、はたまた獣の類か。

否、そのどれでも無かった。

「はあっ……んぶっ……も、もっと、もっとぉ……じゅるっ……」

墨を溶かしたかのような星一つない夜空にはただ一つ三日月。

水車小屋には揺らめく灯火。そこに映るのは女の白い裸体に群がる三人の男達。

「うっ……す、すげぇなぁ……こんなに咥えこんじまって……とんだ淫乱だぜ、先生……」

女は美味そうに咥えこんだ一物を音を立てて吸う。その持ち主は軽く呻き、さらに腰を喉奥へ突き入れる。

「んぐっ……んぶぅっ……ぢゅるる……」

女はそれを恍惚の表情で受け入れ、さらに男の肉竿を吸いたてた。

男の右腕には引き攣れたような火傷。まだ傷を負って日が浅いのか、所々まだ皮が剥がれ、痛々しく色が変わっていた。

「あんときは焼き殺されるかと思ったが、詫びの金子もたっぷり弾んでもらえたし、好きなだけ先生を犯せるんだから、腕の皮くらい安いもんだぜ……おぅっ……」

別の男が女にその細指で一物を扱かれながら呟いた。女の指先が一物の出っ張りを擦る度、男は小さく呻く。

男の左腕には引き攣れたような火傷。

「おいおいてめえら……俺なんか顔だぜ……男前が台無しだよ、全く……」

そう言った男は慧音の下から太腿を掴み、深々と突き上げる。

「んぅうううんっ……もっろ、もっとぉっ……ひんぅっ……」

呂律の回らない舌で一物を舐めしゃぶりながら女が嬌声を上げる。恥も外聞もなく上げられる喘ぎは水車小屋の中に響き渡る。

慧音は下で腰を振る男に合わせ、自分も貪欲に腰を振る。淫猥な水音が立ち、発情した女の臭いがむっと立ち込める。

「うぉっ……先生、そんなに腰使っちまったらっ……やべぇって……おおぅ……」

女の下で喘ぐ男は妙な顔立ちだった。いな、正確に言うと顔ではない。顔面に相当するところ一面に厚く包帯が巻かれている。所々血と膿が滲み、その中心で血走った眼がぎらぎらと輝いていた。

男たちにその肉感的な裸体を曝し、快楽に溺れ貪っているのは上白沢慧音。人間の里で寺子屋の教師をしている……否、していた女……半獣の女だった。

饐えたような臭気が立ち上る水車小屋の中で灯火に鏡が光る。みずぼらしい小屋に不釣り合いなほど精巧な、上品な作り。手鏡より一回りほど大きいそれは小屋の中の淫事を鮮明に映し出す……。

「あぁ……け、慧音っ……な、なんでこんなっ……慧音ぇ……ああぅっ……」

三日月の月明かりが永遠亭の座敷牢、その一角を照らし出す。たなびく銀髪。漏れる絶望の嗚咽。そして……喘ぎ。

「あぁっ……なんで、私……慧音が犯されてるのに……ううんっ……」

銀髪の少女、妹紅は鏡に映る姿を見る。それは自分の姿ではなかった。その鏡は対の鏡に映るものを映し出す『物見の鏡』。そこには、あのみずぼらしい水車小屋で快楽を貪る慧音の姿が映っている。

妹紅は慧音を痴態を見て、絶望の涙を流す。その眼から零れた雫を細指が拭いとる。その指を妹紅は唇で、舌で、舐めしゃぶる。

「んふっ……ちゅるっ……け、慧音……私はっ……慧音の姿を見て……自分をっ……慰めっ……んんッ……」

妹紅のもう一方の手はなだらかな腹の下。蜜を洩らす秘裂へと這わされていた。蜜が止めどなく溢れ、指を濡らす。その潤滑油が妹紅の指の動きをさらに活発にさせていた。

「んぁっ……ひ、ひぁあ……か、感じる……け、慧音のいやらしい姿……すごく興奮して……」

いやらしい水音が響き、共鳴するかのように妹紅の喘ぎ声がそれに重なる。

「あぁっ……ダメだっ……い、いけないのに……ゆ、指が勝手にっ……け、慧音っ……ふぁあっ……」

妹紅は涙を流す。自分の眼から、そしてその秘裂から。嗚咽とも嬌声ともつかない切なげな叫びが止めどなく響き渡る。

「つまんないわねぇ……」

座敷牢の外の輝夜が机に頬づえをしながら、中の妹紅を一瞥する。

「どうしました、姫様?」

傍に付き従っている永琳が笑みをもらしながら輝夜に問いかける。

輝夜は抑揚のない声で話し始める。

「永琳が調教したあの半獣女を里のゴロツキどもに捨て放って、戯れに妹紅の部屋に物見の鏡を置いてから、妹紅の取り乱しっぷりったら無かったわ……反抗的で……絶望に満ちた顔して……すっごい楽しかったわ……でも、最近はずっとあんな感じ……泣き叫びもしないし、吠えたてもしない……つまらないわぁ……」

そう言うと輝夜は机に突っ伏してしまう。

「あぁっ……でも、妹紅の処女を奪った時は最高だったわ……あの絶望に歪む表情……憎悪に満ちた視線……そして、あの千切らんばかりに締まる膣内……はぁ……」

「姫様……」

永琳はそんな輝夜を見て思案顔でしばらくいたが、突然微笑みを浮かべ、輝夜に耳打ちした。

「んっ……なに?……え……そ、それはいいわねぇ……あなたもなかなかいい趣味してるじゃない……クスクス……」

「光栄です」

輝夜の瞳に狂気の火が灯る。口元には隠しきれない笑み。すっと席を立つ。コツコツと靴の音を立てながら座敷牢に近づき、格子戸を開けた。

「輝夜……」

妹紅が光の無い眼で呟く。度重なる調教にやつれ、しかし、情欲の火だけは消せなくなってしまった体は本人の意識とは裏腹に期待感で震える。

「きょ、今日は……何をする気だ……」

細々とした声。それを聞くと輝夜は嬉しそうに切り出した。

「妹紅。私ね、あなたを飼い始めて結構経つわ……いっぱい犯して、犯して、犯し続けた……でも、なんか最近マンネリなのよね……」

微笑みを浮かべながら輝夜は続ける。

「でね、あなたの処女を奪った時の事を思い出したの。すっごく気持ち良かった……」

妹紅は固まったまま動かない。輝夜が何を言っているかが分からない。あるのは犯される自分と自分を慰める自分、そのどちらかだけだった。

「だから、あなたの処女を再生させようと思ってね……薬を使ってもいいんだけど……私たち、蓬莱人でしょ?だから……」

妹紅は座り込んだまま、胡乱な眼で輝夜を見る。眼には狂気の光。手には、月明かりにその身を煌めかせる……短刀。

 

 

「もう一回、死にましょうか……」


あとがき

はじめましての人もそうでない人もSAY YES。Soegiです。

いかがだったでしょうか、輝夜×妹紅 監禁調教ストーリー「Bird Cage」。

かなりハードに書けたと思うのですが……。

ちなみに輪姦は初挑戦でした。

輪姦に関しましては色々ありまして、この本に素晴らしい挿絵を描いてくださったどっぺる氏がですね……

「モブ男の輪姦とかどうよ……」

とか、

「最近NTRが気になってしょうがない……」

とか、

「肉便器とか良くね?」

とか言うもんですから、すっかり触発されてしまって書いちゃいました。

しかし……輪姦書き辛い……。

自分の妄想力をフル動員しての執筆でしたが、うまくいったかどうか……。

この辺はもっと精進が必要ですね。

この本は第7回例大祭で無料配布したものなんですが、これで、発表した東方エロ同人のうち、3分の2がふたなり本ということになりました……。

「アレ……?俺ってふたなり好き……?」と今更ながら自問しているところです(汗)。

さて、次は誰に生やすか……それが問題だ……。


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